IP電話の本格的な普及に向けて
総務省が今年の2月に発表報告しましたIP電話についての研究や今後の取り組みについてのホームページがあります。解りやすく出来てますがさらに当社で噛み砕いてご説明します。
総務省のIP電話の定義
IP電話とはパケット交換のIPベースのネットワークを用いて、音声、FAX,その他関連するサービスを電送するもの。一方インターネット電話とは電送ネットワークの一部または全部に公衆インターネットを用いたIP電話のことをいう。IP電話とは大きく2つに分けて「インターネット電話」と「インターネット電話以外のIP電話」になります。前者は無料のインターネット網で、後者は独自の回線網での利用するものと考えます。
IP(インターネットプロトコル=インターネットで情報を流す仕組み)で音声を電送する仕組み、または電話機をいいます。通常の電話機は音声を波型で電話線でつながってる相手と会話する装置ですが、IP電話は声をパケット(小包状のデータ)に変換圧縮してデジタル信号として相手に届けてます。これをVoIP(ヴイオーアイピー:VOICE over IP PROTOCOL)技術といいます。当然途中でまた声に変換して初めて会話できるようになります。その流れを瞬間にしないと相手の声が衛星中継のように遅れて聞こえることになり違和感ができます。いわゆる無料のインターネット網WWW(ワールドワイドウェブ)を利用すれば通話料金は安くても安定、安全とは程遠い物になってしまいます。
既存のインターネットの回線を利用して電話するのが「インターネット電話」であり、どちらかといえばパソコンからパソコンで同じソフトを介して使用するものなど音質が充分でない、手順が面倒なものであることが多かったのです。今、IP電話といわれるのは専用回線を利用する電話機を使うものを指します。IP電話は音声もデータも同じ仕組みで同じ回線(専用線)を使うことができるのですが声は電話にデータはパソコンに振り分ける機械が必要になります。この機械をVoIPゲートウェイといいます。これが声をパケット化したり再び音声信号に戻したりするのです。
尚、安い市外通話料金が売り物の「フュージョンコミュニケーション」はIP電話の仕組みを利用しているので安く提供できています。
YAHOO!BBのBBフォンもIP電話でADSL回線でNTT交換局からYAHOO独自のの回線に切り替わり相手までつながるのです。相手も同じYAHOOのADSL回線なら全てYAHOO自前の回線しか通っていないのでNTT回線使用料金を払う必要がありません。(厳密にいうとADSL回線使用料173円は先に払っている)よってBBフォン同士は通話料無料なのです。
事業者のメリットは今までのメタル線でアナログ音声を伝達するには物理的に1対の線が必要でありました。100人通話するには100回線必要なのです。
対して、IP電話は100人話すのに光ファイバー1本で充分だったりします。
ついでにデータ通信もでき、維持コスト、設備コストが少なくて済むのです。
NTTも現在の交換機接続の設備をより低コストで維持、設備投資ができるIP通信接続に2010年内に切り替えていく方針だそうです。
ただ、IP電話が普及して電話にIPアドレスをそれぞれ割り振っていくとIPアドレスの枯渇が加速されます。現在のIPアドレス「192.168.168.230」が足らなくなってきているなか、仕組み的にもIPv6への移行が期待されています。IPv6の説明はまた次回・・・
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